こういう想いで始めました

 

施術者という道を選んだきっかけは、自身が18歳の頃に体調を崩して入院し、退院後に体調を回復させるために鍼灸マッサージの治療を受けていたことでした。

 

思うように体を動かせない日々を過ごす中で、気が付くと考えていたのは「幸せってなんだろう」ということでした。

 

家族に心配をかけていたこともあり、自分も周りも納得できる幸せについて若いなりに考えていたようです。

 

そしてその時に考えついたのが、「心穏やかに過ごすこと」でした。

 

自分が心穏やかに過ごしていれば、両親も殊更不安にならないだろうし、逆に両親が穏やかに過ごしてくれていれば自分も安心できる、そう考えました。

 

 

 

施術の道に足を踏み入れて様々な患者さんと接するようになり、経験を積んできたある日、改めて気が付きます。

 

非常に神経質で怒りっぽい患者さんがいました。

当時まだ経験が豊富とはいえない私を指名していつも施術を受けてくださっていたのですが、いつも帰るころには別人のように穏やでにこやかな表情で見送ってくださるのです。

 

その方と電話で応対したことしかなかったり、施術に行っても合わなかった同僚の先生たちは、神経質で怖い人、という印象しかなかったようです。

 

しかしこの患者さんのように一見イライラしていたり愛想が悪い人でも、体調さえ整えば本当はもっと穏やかな人たちが多いのではないか、と気が付きました。

 

そこから、施術を受けてもらい患者さんが心穏やかになっているかどうか、を一つの指標として取り組んできました。

 

 

 

前職の歩行困難な方へのマッサージをしていた時には震災を経験しました。

 

この時には同僚からの提案もあり、施術だけではなくいつもの時間にいつも通り訪問することで、不安定になっている患者さんたちにいつもの日常を取り戻すきっかけを提供できるのではないか、ということを心がけて皆で仕事を続けました。

 

 

 

施術だけでなく様々な関わり方で、私たち施術者は患者さんにいろいろと目に見えないなにか提供できる可能性を感じ、そうしたものをこの「一(はじめ)」で見つけ、自分なりに深めていけたらいいなと考えています。


施術を受けて 、穏やかな気持ちになっていただけること、を一番に望んでいます。

 

日常生活を送る中で心乱れることは多々ありますが、穏やかな心持になれれば自分を見失うことなく、静かに、しかしたくましく生きていけると最近思います。

 

施術を通じてお力になれることがあれば幸いです。